2022年にアメリカで異例のヒットとなったホラー映画「スマイル」。日本では劇場未公開だったものの、今年に入って配信コンテンツで視聴可能となりました!
この記事では、映画「スマイル」のストーリー考察やネタバレを含めた感想を紹介していきます。
「SMLIE スマイル」 のあらすじ
精神科医のローズは、カウンセリングを担当した女性から「人間ではない何者かが自分に笑顔を向けてくる」という話を聞きます。直後、女性はローズの目の前で絶命。女性の死を目撃したその日から、ローズ自身にも同じような「何か」が見えるようになっていき不気味な笑顔が招く死の連鎖が始まります。
作品情報
作品タイトル:「スマイル(原題:Smile)」
作品時間:115分
公開日: 2022年9月30日
監督・脚本: パーカー・フィン
製作会社: パラマウント・プレイヤーズ
製作国: アメリカ合衆国
製作費: $17,000,000
言語: 英語
出演者
ソシー・ベーコン
ジェシー・T・アッシャー
カイル・ガルナー
ロビン・ワイガート
ケイトリン・ステイシー
カル・ペン
ロブ・モーガン
ジリアン・レイサー
ジュディ・レイエス
ジャック・ソシェ
ニック・アラポグルー
ペリー・ストロング
サラ・カプナー
ケヴィン・ケッピー
マルティ・マトゥリス
「SMILE スマイル」の見どころは?
低予算を思わせない、センス抜群の映像表現とじわじわ迫り来る恐怖
ホラー要素:★★★★☆
グロテスク度:★★★☆☆
誰と見る?:友達、家族がおすすめ(子供はNG)
「人ではない何かが”笑顔”を向けてこちらに迫ってくる」という斬新なテーマ。ホラーならではのびっくりさせる表現もいくつか登場しますが、ストーリーが進むに連れサスペンス要素も強くなっていき、最後の展開が予想できず続きが気になる作品でした!
また、監督初の長編映画ということもあり、低予算らしいのですが、それを思わせない映像表現や画になるカットが印象的でした。
個人的には映像の色味や画角、フォントがとても好みでした…!
どのくらい怖い?
個人的には、終盤までは続きが気になる気持ちが掻き立てられる構成だったので、そこまで怖いと感じることはありませんでした。(グロテスクな描写は何度も登場するので、ヒエっとなりますがw)
終盤に差し掛かるに連れ、テンポのスピードと共に怖さにも拍車がかかった印象です。
正直、序盤と比較すると最後の方めっちゃ怖かったですw
ペット愛好家はちょっと注意(ネタバレあり)
ホラー映画にありがちな展開ですが、主人公の飼っているペットが可哀想な目に合ってしまうシーンがあるので、そういった描写が苦手な方は注意です。
子供の誕生日パーティのシーンは特に注意してください。笑
どこで見れる?
サービス名 | 本作の配信 | 月額料金 |
Netflix | ◎ | ¥790〜 |
Amazon Prime | ○(+¥500〜) | ¥600 |
U-NEXT | ◎ | ¥2,189 |
Hulu | ○(+¥550) | ¥1,026 |
TELASA | ○(+¥550) | ¥618〜 |
2023年10月時点で、月額料金で見放題な配信サービスは「NETFLIX」と「U-NEXT」のようです。
「SMILE スマイル」のストーリー(ネタバレあり)
ここからは、段階ごとにストーリーをざっくり紹介していきます。(ネタバレが嫌な方は見ないでください!)
悲劇の始まりは、女性の死の目撃から
精神科医のローズは、数日前に大学教授がハンマーで自殺する姿を目撃した学生ローラ・ウィーバーのカウンセリングを担当します。
何かに怯えるローラは、ローズに促され話を始めます。
「他の人には見えない何かが見える。」と。それは知人の姿になったり、赤の他人になることもあるが”人間”ではない。また、それは常に”気味の悪い笑顔”を向けている、と。
その後、ローラは突如何かに襲われたかのように取り乱し、不気味な笑顔をローズに向けながら目の前で首を掻き切り亡くなってしまいます。
掻き切るシーンは、思わず目を細めてしまいました…。
ローラの事件が起きた後、ローズはあらゆる場所で”何か”が彼女に微笑む幻覚を見始めます。ローラが生前話していた事柄と同じ現象を経験するようになるのです。
最初は自分の勘違いだと思っていたローズですが、次第に「自分も呪いにかかったのかも知れない」と考えるようになります。
不気味な笑顔が与える呪い
自分の身に危険を感じたローズは、事件の詳細を調べていくうちに、ローラ・ウィーバーが目撃した自殺の実行者である大学教授もまた、誰かの自殺の目撃者であることを知ります。
ローズは、元カレで警察のジョエルの助けで、「自殺の目撃者が数日後に残忍な情報で自ら命を絶っている」連鎖傾向があることを突き詰めます。その連鎖で、20人中19人の人が数日以内に亡くなっていたのです。
連鎖された20人の唯一の生き残りである1人・ロバート・タリーから「生きて呪いから逃れる方法」を聞き出します。その唯一の方法は、目撃者の前で誰かを惨殺してトラウマを植え付けることによって、呪いを伝えることでした。
最悪の連鎖を止めるため、ローズがとった行動は
誰かに目撃をさせることも、人を殺して呪いを回避するようなこともできない。考えたローズの編み出した決断は「誰にも会わず1人でいること」でした。
呪いの連鎖を断ち切るためには、目撃者を作らなければ良いと考えたのです。また、目撃者となる誰かと2人きりになる空間を作りさえしなければ、ローズ自身も死なずに済むのではないか?と。
ローズはジョエルの静止をよそに、廃墟となった子供時代の家に隠れることにします。その家は、ローズが10歳の時に母親が自ら命を絶ってしまった場所でもありました。
母親との記憶と対峙しながらも「呪い」のその日に備えるローズ。ついに、その呪いが実態となり現れる時が訪れます。そして、最悪のタイミングでローズの居場所を突き止めてしまうジョエル…。
呪いのモンスターに、ローズはどのようにして立ち向かうのか。ローズは果たして連鎖を断ち切ることができたのか?ぜひ本編でご確認ください。
ストーリー考察(ネタバレあり)
人々の抱える”トラウマ”を”呪い”に置き換えたホラーサスペンス
本作で「呪い」として起こる連鎖や、不気味に笑顔を向ける”何か”。作中では、”彼ら”が「トラウマ」を餌に多くの人の命を奪っていますが、その正体は単なる「トラウマの具現化」ではないように感じました。
特に終盤、恐ろしい実体が現れたことや「炎」に弱い描写があることから、やはり正体は悪魔なのではないか?と考えます。(宗教的な観点から「火」は神のみが持つ力であり、神が人々に「火」を与えた。と言われています。)
さらに”彼ら”は、「誰かの悲惨な死を目撃する」という経験以前にすでに他のトラウマを抱えていた人をターゲットにするのではないでしょうか。
作中のローズも、呪いの連鎖に巻き込まれる前の幼少期に、「母親を見殺しにしてしまった」というトラウマを抱えていました。
ローズの母親はなぜ死んでしまったのか?
ローズの母親は、彼女の幼少期に薬の過剰摂取で亡くなってしまう描写が見られました。薬を摂取し身動きが取れなくなってしまった母親はローズに助けを乞いますが、ローズは通報もせず、助けることができませんでした。
おそらくローズは当時まだ10歳だったことからその現状を把握できず、また目の前で母親が死にそうになっている恐怖から、正しい判断がわからず逃げ出してしまったのだろうと思います。
不気味な「笑顔」のホラー表現は予算の削減?
呪いにかかった人物がこれから迎える悲劇とは裏腹に、”彼ら”は笑顔を向けてじわじわとこちらに向かってきます。
本作が初めての長編映画である監督・パーカー・フィンは、本作の監督と脚本を担当しています。新人監督ゆえの低予算問題をくぐり抜け、本作で見事にヒットを獲得しました。
「知っているはずの人物が”何か”にすり替わり、不気味な笑顔を見せる」という画期的なコンセプトで製作費のコストをおさえ、映画界に歴史を刻みました…!
プロモーション方法が話題!続編は?
本作が制作されたアメリカでは、映画の公開直前の週末にゲリラ的にプロモーションが行われたそう!マーケティングチームが野球のメジャーリーグの観客席を購入し、中継のカメラに向かって狂気的に笑う俳優たちが登場したそうです。
その様子はこちらの動画からご覧になれます(英語)。
長時間、この表情をキープすることができたアクターに拍手!
続編決定!いつ?
本作の大ヒットをきっかけに早くも続編が決定されたそうです!
気になる公開日は、2024年10月18日予定。
続編では、終盤であんなことになってしまったジョエルが主人公となるのでしょうか?
続報が楽しみに待ちましょう!
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